つい先日こんなニュースがありました。
人工知能を使った仮想通貨の取引に投資して、高い配当金を得られるなどとうたい、客から現金をだまし取ったとして、男4人が逮捕されました。
7月12日付Yahoo!ニュースより
(中略)
関係者によりますと4人は、2017年からビットコインなどの複数の仮想通貨を、人工知能「AI」を使って自動で運用をすることで、高い配当をうたった投資話を持ちかけ、客から現金をだまし取った疑いがもたれています。
警察は、4人の認否を明らかにしていません。
警察は4人が、投資した金が4カ月で2.5倍になるなどとして、北海道から沖縄まで全国の約1万5000人から約65億円をだまし取っていたとみて全容の解明を進めています。
平たく言えばビットコイン詐欺の案件です。日本にはイジメや詐欺行為の被害にあってしまう側にも問題があると言ったりしますが、個人的には騙される方が悪いとは言いたくありません。
もちろん一番悪いのが詐欺を働いた集団ですし、騙されている側に問題があるとすれば、日本の学校教育に「マネーリテラシー」と言う科目がないせいです。
どこかの有名YouTuber投資家が「付き合いで行った怪しいセミナーを胡散臭いと思っていて、周りもてっきり同じもんかと思ったけど騙されて目を輝かせてしまっている人だらけだった」のような話をしているのを見た事があります。
きちんとマネーリテラシーの教育がされていれば、胡散臭いものを異常だと判断できるはずなんですよね。
それでは投資詐欺に合わないためにはどうしたらいいのか考えていきましょう。
投資詐欺に合わないための対策4つ
投資には適切なリスクが伴うことを覚えておく
この手の詐欺に騙されないように覚えておくべき単語が2つあります。それが「リスクフリーレート」と「リスクプレミアム」と言う考え方です。
「リスクフリーレート」が安全資産(銀行預金や国債など)に置いておいた場合に年間でかかってくる利息のこと。「リスクプレミアム」がリスク資産の期待利回りからリスクフリーレートを引いたものになります。
金融商品がどれだけ上がる可能性があって、下がる可能性もあるかと言う物差しが「リスクプレミアム」です。
4ヶ月で2.5倍に資産を増やそうとした場合、年率に換算するとざっくり7.5倍になります。750%から銀行に預けた場合のリスクフリーレートの0.001%を引くと、残りの749.999%のリスクプレミアムが乗っています。
国内株式なら年間4%の配当金があれば上々なぐらいなので、どれだけ膨大なリスクが上に乗っかってるかわかると思います。
いくらビットコインが値動きの激しい商品だからといって短期間で必ず2倍以上儲かることのできる方法なんてありません。
例えばボードゲームなどをプレイしているときに六面体のサイコロを2個振ってその結果で成功か失敗かを判定するようなものです。サイコロの神様というのは平等で必ずクリティカル(大成功)を引く方法なんてないのです。
もし実際にそんな事があったとしたらイカサマをしているか、ただ豪運の持ち主です。どちらにしても再現性という意味では乏しいでしょう。
相場がどれぐらいか確認する
適正なリスクを取るためには一般的な相場がどれぐらいなのかを覚えておく必要があります。例えば国内外の株式相場や投資信託の分配金、不動産投資といった手法でどれだけの利益率を出す事ができるのか。
リスクが高めの投機ならFX(外国為替証拠金取引)、ビットコインを始めとした暗号通貨や金などのコモディティならば平均どれぐらい稼ぐことができるのかを大まかにでも知っておけば詐欺に対する嗅覚を養う事ができます。
反対に知人や友人から絶対に儲かる(可能性が高い)として紹介された案件を危ないんじゃないかと怖がりすぎてチャンスを逃してしまうこともないでしょう。
相場感を養うのには難しく考える必要はありません。日本や海外から発表される各指標など経済ニュースに少しだけ耳を傾けてみる。
最初から大きく設けることを考えるのではなく、万が一に失敗してゼロになっても惜しくはない程度の小額からコツコツと投資を始めて経験をしてみるなどの行動を続けることで自然に身についていくことでしょう。
投資に「絶対儲かる」なんて美味しい話は絶対にないことを知る
投資において最後に責任を負わなくてはいけないのは必ず自分自身です。そのためには投資に「絶対」ということはありえないということだけは覚えておきましょう。
知人から間違いないと自信を持って紹介された株式投資でも、次の日に急に粉飾決算が判明してしまったりなど万に一つぐらいは違う方向に進んでしまう可能性は捨てきれません。
それでも紹介した知人が何かしたわけではなく、悪かったのはただの巡り合わせだということです。もし責め立ててしまったりしたら善意で紹介してくれたはずの知人がかわいそうです。
高額なセミナーや情報教材などはいらない
間違いなく言えるのは何十万といった高額な費用を要求されるようなセミナーや情報教材で学ぶ必要なんてないということです。それこそ詐欺に繋がっている可能性もありますし、情報が手に入りやすくなった今の世の中には初心者でも学べる良書や良サイトを簡単に見つける事ができます。
そうしたものを含めて最初は小さなところから始めて少しづつ挑戦できる幅を広げていったほうが失敗してしまう可能性を減らすことに繋がります。
まとめ:自分の身は自分で守るべき
私が昔に会社のリーダーだった人から言われたことで印象に残っている事があります。それは「最後に自分を守れるのは自分だけ」という言葉です。
全然、投資とは関係のないジャンルの仕事でしたが共通してどんな世界でも通用する言葉だと個人的には思っています。
余談になってしまいましたが、このページで書いてきたことをまとめると次のようになります。
・投資には適切なリスクがあることを覚えておく
・相場感を養う
・投資に「絶対」はないことを知る
・高額なセミナーや情報教材はいらない
最後に信じれるのは自分の直感です。まずは身近なところから知識を身につけて、少しでも危ないなと思ったら近寄らないようにするのが詐欺などといった犯罪行為から自分の身を守ることの第一歩です。
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