良く投資はギャンブルと同じだ、と言われることがあります。実際は投資と投機的なギャンブルとは本質的に別なものなのですが、良く似ているポイントもあります。
何が言いたいのかというと「株式や投資信託などで投資をしているつもりで資産運用をしていても気をつけないとギャンブルになってしまう」ということです。
投資とギャンブルの共通点と違いを把握して正しい資産運用を心がけれるように、大事なポイントをまとめたので確認していきましょう。
投資とギャンブルの共通点
上手くいけばお金が増える
ギャンブルも投資もお金を元手を一度別のものに変え、結果としてお金が増えていくこともあるという点は共通しています。建前としてお金を増やすためにギャンブルをしている人も案外多いんじゃないかと思います。そういって手のひらを返すようですが、私としてはお金が増えるかもという一点だけをみて同列に並べてしまうのにはなんだか違和感があります。
未来は誰にもわからない
投資とギャンブルで共通しているのは「未来は誰にもわからない」ということです。
例えば競馬で「こいつを買っておけば間違いない」という圧倒的に一番人気に支持されてた馬がいたとして、実際にレースになった時に落馬などのトラブルで競走中止になってしまう可能性は捨てきれません。そこまでいかなくても想像したような展開にならず馬券外に飛んでしまうなんてことも日常茶飯事です。
パチンコやパチスロなら「この台は調子悪いな…」と別の台に移動したのは良いものの実はそこから潮目が変わってて、元の台を通りがかった時に次に座った人が大当たりを連発していたなんてこともあるかもしれません。
それは投資の世界でも同じです。相場の正体は多くの人間の思惑が絡んだ結果なので、ある程度の予想はつきますが時としてそれすら関係ないところで大暴落は起こり得ます。特に東日本大震災や新型コロナウイルスなど大自然現象によって引き起こされた大暴落を予想しようと思っても難しいでしょう。
リターンを狙いすぎると大失敗する
投資もギャンブルもある程度の節度を守っているうちは収入をもたらす。またはストレス発散といったメリットがありますが、行き過ぎると大損をしてしまう可能性が高まります。ギャンブルの中毒や依存症になって破産の憂き目にあってしまう…なんてのが分かりやすいと思います。
株式や投資信託なども元本が保証されている投資ではないので運用には一定のリスクを伴います。それでも株の場合、投資している先の会社が倒産したとしても持っている株式の価値がゼロになってしまうだけなので、基本的に元手以上に損をすることはありません。
問題となってくるのは利益を追求するあまりに株式の「信用取引」やFXなどを高い「レバレッジ」をかけて購入している時です。このパターンは「投資した元手」以上の損を抱えてしまい、最悪の場合はギャンブルと同じく破産してしまう危険性があります。
FXのレバレッジや株式の信用取引なども本質はローンとかと同じく「借金」であることを理解していれば過度なリスクを負うことはないのかもしれませんが、もっともっとと利益を追求するあまりにそこが抜け落ちてしまうと最後には大変なことになってしまいます。
投資とギャンブルはここが違う
ギャンブルはマイナスサムゲーム、投資はプラスサムゲーム
専門用語を抜きにして説明すると「ギャンブルは胴元が儲かるようにできている」ということです。
例えば競馬の場合だとレースの売り上げのうちJRAの取り分を除いたものが配当金になっているため、馬券種別によりますが2割から3割は目減りしてしまっています。このため理屈の上では長く競馬を続けるほど収支は7割という数字に近づいていくことになります。
対して株式の場合、誰かが100円で売ったものを別の誰かが買ったとしても価値は100円で差はありませんし、長い目で見れば配当金や分配金などの利益や株価が上がっていくことで市場の価値としてはプラスになっていきます。株式投資や投資信託は参加者全員が儲けることができるゲームだということです。
投資は他人との勝負ではない
株式投資をしたくない人の中には「株なんてやってもプロに勝てないからダメでしょ」という人がいます。個人的には専門の知識や情報を持った機関投資家(プロ)を相手にしたら素人では勝てないだろうという点に関しては同意見です。
じゃあ株をやることが「損」かというとそうではありません。なぜならプロを相手にするだけが株で戦う方法ではないからです。長く見て最終的に利益を出すことを目標としていけば、プロですら手駒にとって資産を増やすことが可能です。
《まとめ》お金儲けのためにはギャンブルにならないように注意する
この記事の内容をざっとまとめると
- 上手くいけばお金が増える
結果的に元手以上の儲けを手に入れる可能性がある - 未来は誰にもわからない
確実に儲かると思っていても損失を出してしまうこともある。 - リターンを狙いすぎると大失敗する
大きく利益を出すためには、それ相応のリスクがある
という点は投資もギャンブルも共通しています。いちばん気をつけて欲しいのが「絶対なんてあり得ない」ということ。「誰も知らない絶対に1年で5割も設けられる極秘の方法を教えます」なんて甘い言葉で近づいてくる人は間違いなくあなたを騙そうとしています。
だって、そんな方法が万が一あって本当に知っていたとしても、他人に教えて広まってしまったら自分の取り分が減ってしまうかもしれないじゃないですか(笑)
特にギャンブルは他人の儲けは自分の損なので内緒にしておくに決まっています。じゃあ「お金を狙ってくる怪しい人を見分けるにはどうすればいいの?」という方法については別の記事でまとめてあるので気になる人はチェックしてみてください。
そしてギャンブルと投資の違うところはこんな感じになっています。
- ギャンブルはマイナスサムゲーム、投資はプラスサムゲーム
ギャンブルは胴元の取り分だけ還元されるお金が減ってしまうが、投資は誰もがプラスになることもある。 - 投資は他人との勝負ではない
プロと戦っても勝てないかもしれないが、戦わなくても長い目で利益を積み上げることはできる。
投資に絶対はないと言いましたが、20年以上の長期的投資を継続していけば高確率で勝てることは米国テキサス州のトリニティ大学の3人の教授が研究した「トリニティスタディ」と呼ばれる実験結果によって証明されています。
もっと投資で儲けたいと思ってしまう気持ちもわかりますが、その結果としてギャンブルになってしまうと勝てるはずのものも負けてしまいます。まとめると自分の出来る範囲の資産運用をコツコツと進めていくのが投資の必勝法ということです。
焦らずコツコツとを大事にして自由を掴むためのお金を稼いでいきましょう。
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